文字が書いてあるとひとしきり読んでしまいます。看板やポスターはもちろんのこと、かばんやTシャツも。

数年前から世界の都市名がずらずらと英語で書かれたバッグを持っている人を多く見かけるようになりました。

そしてどういうわけか大抵の場合、そのバッグを持った人は駅のホームでわたしの前に並んでいます。

Stockholmとか、San Fransiscoとか、Tokyoとか、London、地球のあっちこっち。

電車が来るのを待つあいだ、わたしの目はそのキャンバス地のバッグの文字を追いかけて、

頭のなかはすっかり例えば夏のストックホルムの澄んだ青い空と海とすこし冷たい風、

空に浮かんでいた郵便局の黄色い気球、

屋台で買ったニシンかなにかの魚をのせたパンがやけにおいしかったこと、

日暮れの公園でバネつき動物遊具(おそらくカンガルーの)に乗ってもちろん揺れたことなどなどを思い浮かべて、

電車が来たら電車に乗って、地上を走って歩いて家に帰るのでした。(作者)

 

郵便局のホルンのマークの気球。奥の気球はなんでしょうか。

 

お腹がぺこぺこで買った屋台の魚のせパン。

おかわりしませんでしたが、お酢が効いていて、おかわりしたくなる美味しさでした。

今度記憶をもとに作ってみよう。


おむすびクラブ 2017年4月号 / ASA仙川 発行


Written by mariko