くるまれ中

ラップでくるむ

学生のとき、”wrap” というのが “くるむ” という意味だと知ったとき、なんだか深く腑に落ちた。くるむって、wrap という感じがする。”くるむ” と “wrap” も似ている。不思議なもので。

さてわたしは万年筆をラップでくるんだ。飛行機に乗るのに、万年筆を機内に持ち込むつもりでいて、無いとは思うがもし気圧の変化やなにかで万年筆のインクが漏れてしまうことを踏まえ。くるくる。wrap, wrap.

くるみながら、くるんでいいんだものなあ・・・と思った。残ったキャベツの半球体や、冷凍するつもりの塩鮭や、水分を抜くためにレンジに入れるお豆腐や、そういう食べもの以外にも、ラップでくるんでいいんだものなあ(*1)。どうにもこうにも唇が乾燥してしまった際には、蜂蜜を塗った上からラップをのせて保湿したこともある。(口での呼吸がむつかしくなるため、鼻づまりの場合はくれぐれもよした方が良い。)

くるまれる

アクリル絵の具を使う際、牛乳パックを開き、内側をパレットにして使う。

一旦乾いてしまうと、アクリル絵の具は洗い流せないのだけれど、牛乳パック製パレットならそのまま捨てられるし、耐水加工されていてつるつるしているから、チューブから出した絵の具を吸い込んでしまわないところも良い。

アクリル絵の具をふと使いたくなったとき、牛乳パックパレットのストックが数枚あると、がぜん嬉しい。牛乳を飲み終え、パックが空になることも嬉しい。パレットが作れる、とうきうきして、すすいで開いて干物を作るみたいに天日干しして乾かす。牛乳パックはリサイクルに向いていると知り、基本的にはせっせと回収場所に運んでいるが、パレットにも向いているのだ。

アクリル絵の具はチューブから出すやいなや、そのままにしていると乾燥への道まっしぐらで、固まってしまう(*2)。それで乾かないように絵の具に霧吹きをして湿らせたりしながら描くのだが、しばらくその場を離れたり、布団にもぐって眠ったりする際には、湿った絵の具の上へラップをかけておく。牛乳パックのパレットに、絵の具を出して、ラップをかける ― 食べ物じゃないけれど、空気に触れてほしくないものってあるのだ。そうすることで、絵の具の乾燥を遅らせることができる。

道具は道具で、じぶんがどんな使い方をされるか、楽しみにしていたりして。

(*1)ラップの始まりを調べたところ、第二次世界大戦時にアメリカで開発された軍事品(銃、火薬など)を包む用のフィルムで、湿気を防ぐ目的だったとのこと。そもそも「食品用」という考えが思い込みでした。

(*2)「ウェットパレット」というのを使うと良いようです。湿らせたスポンジが組み込まれたパレットなので、絵の具の乾燥を遅らせることができます。手作りしてもよさそうですね。