33番のコーヒー牛乳

新聞売りBOYは魔法使い疑惑

 

 

はじめて近所のお風呂に行っていろんなお風呂に入り、お風呂から上がってコーヒー牛乳を飲みながら、よれよれになった『ku:nel』の七月号を読み、京都に行きたくなった。京都に行きたくなるときは、同じくらい、京都の喫茶店に行きたい。なぜかそのふたつはセットである。

 

110円のコーヒー牛乳は、自動販売機に入っているのだが、その自動販売機はガラス張りで商品が並んでいるのが見え、欲しい商品の番号を押すと機械の手が出てきてその番号のところへ行き、押し出されてきた商品を受け止めてガコンと受取口に落とす。このしくみは、見ていてたのしい。だけど、並んでいる商品のうち、ほとんどが牛乳でほとんどがコーヒー牛乳で、まれにイチゴ牛乳があったが、とにかく選択肢は5つくらいにすぎなかったにもかかわらず、数字は40番くらいまで振られており、つまり、30番も31番も32番も33番も34番も35番もコーヒー牛乳であった。わたしはすこし迷ってから33番と押して、機械の手が出てきて、言われたとおりにに33番のところのコーヒー牛乳を受け止めた。

コーヒー牛乳は甘かった。

まだせいぜい16時ごろだったが、お風呂に入り疲れて、わたしは存分に眠かった。

そしていまも存分に眠いままである。

 

2010