個展の最終日に、流浪堂さんで朗読会をひらきました。

照明を落として、ひとつの明かりに照らされた流浪堂は、いつもとぜんぜんちがった雰囲気。

樹のかげで、無数の鳥や小さな動物大きな動物、虫たち、ともかく大勢がいっせいに息をひそめて焚火を見つめているような気配。

ひとつの明かりとは、つまり、わたしの手元を照らしてくれる明かりです。

 

 

読んだ本や文章のリストは、以下。筆者名がないのは、じぶんで書いた文章です。

 

「耳を澄ます島」、「忘れものたちの島」/2つとも『Listen』収録

「歩く木々」

清少納言『枕草子』(『新版 枕草子』石田穣二訳註、角川ソフィア文庫)より

「そら豆の鞘は不思議」

Fさんからのメール

6歳のときの絵日記

カート・ヴォネガット『国のない男』(金原瑞人訳、日本放送出版協会)より

「王様でもないのに」

エッカーマン『ゲーテとの対話(中)』(岩波文庫)より

「はじめまして、エリーザベトさん」

黒柳徹子『チャックより愛をこめて』(文芸春秋)より

『今日もどこかで アーカイヴくん』の2話

アーノルド・ローベル『ふくろうくん』(文化出版局)より2話

Irene Haas “The Maggie B” , Margaret K. McElderry Books   の紹介

これにくわえて、最後にOさんが、「来る途中の電車のなかで読んだ部分が、いまぴったりだ」ということで、小池昌代『黒雲の下で卵をあたためる』(岩波書店)の一部を朗読くださいました。

ぜんたいのテーマとしては、“いったりきたり”。

昔と今、であったり、あちらとこちらであったり、あなたと私、であったり、または、今の私とかつての私、それから、忘れていたり覚えていたり・・・。

意識していようといまいと、いったりきたりでなにかを考えがちなわたしを、いったりきたりの朗読を通して自己紹介できればと思いました。

序盤、枕草子を「五月ばかりなどに・・・」と読みはじめて、一旦読み間違えるやいなや、それが続くこと続くこと。

頭のなかでは、突然誰か(おじさん)があらわれて「ほら、また間違うぞ、間違うぞ・・・、ほら、間違った間違った」って実況中継しはじめています。なんとかもちなおしたら、また足もとに石ころがあってつまずいて、という感じを5回くらい。

あとから流浪堂のさちこさんが、「あのおかげでリラックスできたのか、その後朗読がぐんと聴きやすくなったよ」と言ってくださいましたが、そうであったなら、とめどなく何度もつまずいた甲斐もありました。

 

終わりの方に読んだ『ふくろうくん』は、大好きな絵本なのですが、何度も読んだのにやっぱりおかしくて、読みながらじぶんで笑ってしまいそうで大変でした。

会に参加してくださったIさんは、その後『ふくろうくん』を購入したんだそうです。ふくろうくん仲間が増えてうれしいです。

そういうわけで、朗読会はだいたい1時間15分くらいでした。

お土産は、流浪堂のお向かいのマッターホーンのクッキーと、わたしのポストカードのなかから好きなものを一枚選んでいただきました。

朗読した本人としては、至らない点も多くあったと思いますが(特に『枕草子』のくだりなど!)、あっという間で、とってもたのしい時間でした。

朗読会のためにこの日20時でお店を閉め、このような場を設けてくださった流浪堂のお二人と、足を運んで聴いて下さった皆さまに、心から感謝いたします。

(Photo by Koyumi Fujii)


Written by mariko